2006/11/22

医療ミスに麻痺している病院関係者

 妻が福大病院に入院して以降、私は毎日のように見舞いに通いましたが、病室に行くのは大体決まって7時頃でした。
たまに早く行くこともありましたが、その時は一緒に食事をしようと思っている時で、病院食が出る6時に間に合うように車を飛ばしたものです。
 それ以外はほとんど7時過ぎになるものですから、同室の人に遠慮して、私達はいつも1階の薄暗いベンチに腰掛け、手を握り合って話しをしていました。
そして帰り際には肩を抱いて元気付けてやるのが日課のようになっていました。

 そんなある日、妻がビックリするようなことを言いました。
「今日、看護婦さんがもう長いことしているから、一度針を外しましょうね、と言って、点滴の針を抜いたら血管に糸のようなものがあったので、引っ張ったら血の固まりが糸のようになって10cm以上もスーと取れたのよ」
それって血栓じゃないのか、と驚きました。

「血管障害を起こしているから今度は反対側にしましょうね、と言って反対側にしたのよ」
そう言いながら妻は腕を見せました。
血管が10cm程赤く見えました。
血栓が途中で切れることなくスーと抜けたからよかったものの、もし途中で切れていたら、と思うと、私の方が鳥肌が立ってきました。

「M城先生にそのことを言ったら、あっ、これは湿布しとけばすぐ治るから何も心配することはない、と言うのよ。でも、若い担当の先生が腕の包帯を見て、どうしたの、と言うから、こうこうと説明したら顔色が変わって色々見てくれたから、あれはやはり危なかったのじゃないかと思う」
それを聞いた時、私は血管障害で血栓ができていたと確信しました。

まかり間違えば医療事故になっていたかも分かりません。
もし血栓が脳の血管に詰まれば脳血栓です。言語障害や半身不随ということにもなりかねません。それなのに「大したことない、湿布しとけばすぐ治る」と平然と言ったM城医師の常識を疑いました。

 実はこのM城医師、沖縄地方に多い名字をした彼は整形外科では腕がいい医師として知られているらしい(看護師達の話)のですが、結構横暴らしく若い看護師がよく泣いていました。
 そして後に、私達はM城医師の患者を患者とも思わない態度に転院を決意したのです。病院関係者の評判と患者の評判は必ずしも一致しないということです。

「○○の常識は社会の非常識」とはよく言われることですが、ほとんどの医療事故は難しい部分で起こるというより、初歩的なミスが原因で起こっています。
酸素吸入の代わりに笑気ガスを吸入させたなどというのはその典型でしょう。

 そういう意味では、私達は手術をしなくてよかったね、と言い合ったものです。
もし手術をしていたら、本来の病気以外の部分で亡くなる危険性があったからです。
これは患者にとって非常に怖いことです。

 手術や医師を信頼できなければ、患者はどうすればいいのでしょうか。
白衣が悪魔の黒マントに見えれば、安心して手術台に寝ることなどできないでしょう。
「輸血の血液型は間違ってないか」
「いま、しようとしている注射器は取り違えてないか。針を刺す前にもう一度名前を確認して欲しい」
「私の名前は○○だよ。カルテの名前と一致しているか、最後にもう一度確認してくれ」

 こんな心配をしていたら、治る病気も治らないどころではなく、ストレスで死んでしまいかねません。
笑い話ではなく、現実にたくさん起こっているだけに怖いものがあります。
 飛蚊症で絶対手術が必要と言われたが、外国で診てもらうと手術の必要はない、と言われたが、そのために外国まで行って治療してもらうのも大変だからと、言われるまま国内で手術をしたところ視野狭窄になった、というメールも届きました。
 表には出ないちょっとした医療ミスは数多いと思います。
外部に出ないミスはもみ消されますし、教訓になりません。
患者が勇気を持ってそれらを一つ一つ表に出していくことで医療ミスが減っていくのではないでしょうか。

0 Comments:

コメントを投稿

Links to this post:

リンクを作成

<< Home