2007/02/09

患者を不安にさせる医師

 病気を治すはずの医師が病人を作る--実はこうした例が結構多いのです。
マスコミ紙上に出る医療過誤は氷山の一角でしょう。
握りつぶされたもの、公表するほどでもない小さなミスは数知れぬほどあります。
 例えば薬の処方箋を間違えたとか、他の人の点滴液に入れる成分を間違って入れたとか、悪くもない箇所を手術で間違って切除したとか、手術後、体内に忘れ物をしたなどというものばかりではなく、もっと表面に出ない医師のモラルに属するようなもの、精神的なイジメのようなものもあるでしょう。

 昔から名医と呼ばれている人は患部を治すだけでなく、患者を精神的にも元気にしています。
いわば患者の治癒能力を高めているといえます。
ところが逆に患者に不安を与える医師もいます。
福大病院整形外科のM医師がそうでした。

 入院から通院に代わってしばらくすると、妻が私にこう言いいました。
「M城先生に見てもらうと、こちらの希望を打ち砕くようなことばかり言うから、かえって病気が悪くなりそう」と。
「食事が出来ないなら喉の外からチューブを入れて流動食みたいなものを流し込むしかないだろう。これは痛いよ。僕ならそこまでして欲しくないけど、それでもしてみるね」
 こんな言い方をされたようです。
こんな言い方をされて患者の気分がよくなるでしょうか。
精神的に脅迫されているのと同じです。
外来で通う度にそんな言い方をされているようで、とうとう妻は「できたら病院を代わりたい」と言い出しました。

 妻の思い込みとか過敏な被害者意識で言っている訳ではありません。
私にも思い当たる節があります。
妻の代わりに薬をもらいに行った時のことです。
「入院していたのを外来で見てくれと言うから見ているので、こちらは頼まれたから見ているだけで、他の病院に行ってもいいんだよ」
 と言われたのです。
 これにはビックリです。
退院したいとこちらが言ったわけではなく「これ以上入院していても同じだからいったん退院して通院と形にしたらどうか」と医師から言われたから退院して通院に切り替えたのです。
しかも、そう言ったのは当の本人でした。

 これでは医師を信頼して治療を任すというわけにはいきません。
医師に見てもらう度に精神的に暗くなるのでは治る病気も治らないでしょう。
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性化が癌に効果があると言われるのはよく知られている通りです。
そしてNK細胞を活性化するのに笑いがいいと言われています。
つまりニコニコして過ごせば癌も治るというわけです。

 落語で癌が治ったとか、落語を癌治療に応用しているところもあるそうです。
将来にくよくよせずに楽観的に楽しく生きることがNK細胞を活性化させ、病気も治すというわけです。
それなのに医師の診断を受ける度に精神的に暗くなるというのですから尋常ではありません。
 私は妻の意見に同意し、病院を替えることにしました。